あなたが選ぶ BS20歳の名作集 「野茂英雄の米国野球見聞録’97」


素顔の野茂英雄―さらば、JAPAN!


野茂英雄の米国野球見聞録’97」
http://www.ninomiyasports.com/sc/modules/bulletin02/article.php?storyid=2801


録画してたやつを観た。この番組は、野茂英雄自らが企画に参加して創られたということもあって、野茂本人が結構沢山喋っている。テレビの前でこんなに喋ってるのってかなり貴重なんじゃないかなぁ。相変わらずのボソボソっとした喋りなんだけど、ここまで熱く語っている彼を見たのは初めてだったのでちょっと新鮮でした(特にツーシーム、フォーシームのくだり) 


本番組は97年のシーズン終了後の放送で、野茂は当時ドジャースに在籍しており3年終えた時点での成績は、3年連続2桁勝利・200奪三振と素晴らしい成績を修めていた。うん、やっぱ野茂はスゴイなぁと感心してしまう。去年、松坂の年間勝利数が野茂の持っている成績より上回ったことで“野茂を超えた”なんて言われたりしてたけど(松坂本人は謙遜してたけど)、まだ追いついてないだろうと感じるね。特に奪三振の数で大幅に差があるもんなぁ、さすがドクターKとしか言いようがない。


勝利数に関しては、松坂はずいぶんレッドソックス打線に助けてもらってるという印象なんだけど、野茂はその点手助けしてもらえるようなチーム状況ではなかったというのがその当時の現状らしい。どうもその当時はとにかく打線がよくなかったみたいだね。女房役のピアッツァなんかはよく打ってたみたいだけど、他の選手はあまりよろしくなかったようで…。おまけに守備も上手い選手が少なかったみらしく、4つも5つもアウトを取るという感覚で投げてたとのこと。なんと不憫なんでしょう…松坂は恵まれすぎだね、こりゃあ。


それにしても、やっぱり12年前ということもあって、若い、とにかく体が細い、というところが眼についた。試合の映像なんかも流れてたんだけど、若い頃のマグワイヤ、アブレイユとかボンズなんかも出ていて、特にボンズの細さにはエッ!とか思ったし。妙に足が細かったなぁ、この頃はまだ薬物に手を出してなかったんだろうか? でもバットスイングは昔も変わらずという感じ。あと、ジーターもちょろっと映ってたけど、顔がツルンとしてましたw


あと、野茂自身ピッチャーなので、それに関連してマダックスランディ・ジョンソン、クレメンスの特集なんかもやっていた。野茂の憧れの選手はクレメンスらしいです。ずっとパワーピッチャーとして活躍しているところが好きなんだとか。影響も受けてるみたいなんだけど、野茂自身力で押すタイプだったっけ?


それから興味深かったのは、質問のコーナーで“トルネード投法をどうやって編み出したか?”という、野茂ファンなら一度は考えたことがある疑問に対して答えていたところ。どうしてあんなフォームになったんだろう? 当然何か切っ掛けがあるはずだと僕も思っていたので、その話を聞くことができただけでも本番組を観た価値はあったように感じる。それでその答えはというと、結構単純で「とにかく早い球が投げたい。早い球を投げるためにはどうすればいいんだろう? 足を高く上げて腰をひねって投げれば早い球が投げれるんじゃないだろうか?」と自分で思ってやっているうちにトルネードを編み出したんだそうな。まあ、なんか答えがそのままな感じは否めないけど、積年の疑問が解けたので良かったです。


いやぁ〜ほんと内容の濃い番組だった。今回2時間番組だったんだけど、リアルタイムで放送されていた時は4時間番組だったらしいので、それだけ野茂に熱視線が向けられてたんだろうなぁと想像に難くない。当時は日本だけでなくアメリカでも野茂は人気だったもんねぇ。今のイチローあたりはどうなんだろう、このくらい人気はあるのかな?多少気になる。




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