川上未映子の新作長編 「ヘヴン」 が高評価らしい


ヘヴン


川上未映子:「1Q84」との比較も 掲載誌完売の話題作・小説「ヘヴン」発売
http://mainichi.jp/enta/book/news/20090825mog00m040030000c.html

08年に「乳と卵」(文芸春秋)で第138回芥川賞を受賞した作家の川上未映子さんの長編小説「ヘヴン」(講談社)が、9月1日に発売される。斜視を理由に壮絶ないじめにあう中学2年生の主人公「僕」と、「貧乏で不潔」な同級生の少女「コジマ」との交流を描き、執筆の様子はドキュメンタリー番組「情熱大陸」(MBS・TBS系)で放映された。掲載誌「群像」(講談社)8月号は完売となり、新聞各紙の文芸時評にも大きく取り上げられ、発売前から注目を集めている。

川上さんはデビュー作「わたくし率 イン 歯ー、または世界」(講談社)以来、はじけるような大阪弁のリズムで物語を描き、「乳と卵」では「最適な量の大阪弁を交えた冗舌な口語調の文体が巧み」(芥川賞選考委員・池澤夏樹さん選評)と評価された。しかし本作では大阪弁は一切使われず、代わりに「僕」の静かな一人称を通して、いじめる側の論理と、いじめられる側の気高さが描かれている。舞台は携帯電話が普及していない91年に設定され、二人の間で交わされる手紙が、効果的な役割を果たしている。


1Q84 BOOK 1新聞各紙の文芸時評では、村上春樹さんのミリオンセラー小説「1Q84」(新潮社)との比較が目立つ。7月29日の毎日新聞では、文芸評論家の川村湊さんが「僕」と「コジマ」の関係と「1Q84」の主人公である青豆、天吾の関係を比較。また同日の東京新聞では、沼野充義東京大学教授が「コジマ」の気高さと「1Q84」に登場する復讐(ふくしゅう)の論理を比べて「『ヘヴン』は『1Q84』が避けて通っている問題に対して、文学が与え得る最高の回答例」と称賛している。

どうやら新聞の書評では高評価みたいだね。でも、著者にとって何か別の作品と比較されるのって、賞賛されようが嫌なことだろうなぁ、そんな気がする。しかも「1Q84」との比較だなんて、あまりにも安易すぎるぜ…。まあ、一人称「僕」ときたら、村上作品と比較したくなるのも解らないこともないけどね。


個人的に川上未映子のことはメディアに出過ぎてるのであまり好きじゃないんだけど、そろそろ1冊読むべきだよなぁと思う今日この頃です。


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