欲深き鳥居みゆき


夜にはずっと深い夜を


鳥居みゆきの"ケータイ小説"は、「"生きること"がテーマなんです」
http://www.cyzowoman.com/2009/09/post_900.html

――ちなみに『夜にはずっと深い夜を』という本のタイトルはご自分でつけたそうですが、どういう意味なんですか?


鳥居 私いつも、まぶしいのが苦手で、昼間が苦手だから、昼間も全部夜だったらいいなと思うんです。でも、もし本当にそうなったら、夜の時間帯にはもっと暗くなってほしいという欲が出てくると思いませんか? それが人間の欲深さなんです。でも、それは人間らしくていいと思います。


――なるほど〜。


鳥居 あ、わかったんですか。私はわかりませんけど。


――......。登場人物が殺されたりする描写も多いのですが、この小説のテーマは何ですか?


鳥居 やっぱり、生についてです。生きるってこと。そういうの(描写)を見て、生きるってことをわかってほしいんです。


――鳥居さんは、死に対する恐怖はありますか?


鳥居 あります。小さいときからずーっと、父親から教え込まれてきました。いつも死を目前にして生きろ、と。そうしないと危機感がないから、何もやることに意味がなくなる、って。


――濃く生きろ、ということですね。


鳥居 はい、濃く短く生きろって言われたんです。父親の、知り合いの人に。

なかなか深いなぁ、「夜の時間帯にはもっと暗くなってほしい」というくだりは。人間の欲深さかぁ…。


その後の、「危機感がないから、何もやることに意味がなくなる」という部分も、生きてる意味を持たせるためには“欲”っていうものも必要だろうから、その辺がやはり小説のタイトルとテーマとかかってるんだろうね、なるほど。


――友人や知人から、恋愛や仕事のことで悩み相談をされたりすることはないんですか?


鳥居 そういうとき、私すぐ「百年後はみんな生きてないから」って言っちゃう。それで芸人をやめてった人が何人もいます。「百年後のことを鳥居に言われて、考えてみたら、もう何もやんなくていいやってなったよ」って廃人になるんです。


――鳥居さんとしては、前向きな意味でそういうアドバイスをしているんですよね。


鳥居 いや、別にそうでもなくて。今やってることも全部、百年後は何もないよ、って。それでもはい上がってくる人がいいですね。

そうやって這い上がってきたのが、鳥居みゆきなのだろう。百年後は何もないと解っていても、欲深さが勝ったというわけか? 鳥居さんらしくて良いね。




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