タケカワユキヒデが薦めるマンガの名作20作品
マンガ命 タケカワユキヒデが薦める「マンガ」(1)
http://president.jp.reuters.com/article/2010/04/15/C3A1AEFA-416A-11DF-811E-33D23E99CD51.php
マンガ命 タケカワユキヒデが薦める「マンガ」(2)
http://president.jp.reuters.com/article/2010/04/16/2D3D5E40-416B-11DF-9101-9F283F99CD51.php
昔は「子供がマンガを読むと馬鹿になる」という家庭が大多数でしたが、ウチはちょっと変わっていました。
僕が幼稚園児の頃、父はラジオ東京(現TBSラジオ)の初代音楽部長で、ドラマのBGMをつくったりしていました。原作を連載した「少年」や「少年画報」「冒険王」といった月刊マンガ誌を関係者が置いていくんですが、それを家に持ち帰ってくれた。
当時から、周囲が平然と「マンガを読むヤツはダメだ」などと言うから、なんかわかんないけど燃えましたね。
「じゃ、おまえ読んだことあんのか」って。小5のとき、国語の時間に「なぜ大人はマンガを悪く言うのか」という作文を書くくらい、僕はマンガの味方だったんです。その反骨精神が後年エレキギターにも飛び火するんですが、小説などはあまり読まなかった代わりに、文字もマンガで覚えたし、感動すること、何かに夢中になること……とにかく全部をマンガから貰っています。
僕が子供の頃にはもう、手塚さんは“マンガの神様”でした。知的なマンガをガンガン描いてたから、知識に飢えた子供とか、藤子不二雄さんみたいな漫画家志望の人たちが夢中になった。『ドラゴンボール』や『スラムダンク』みたいにキャラクターが先行する今のマンガの読まれ方とはちょっと違っていた気がします。世の中知らないことがまだまだいっぱいあるぞ、というか、考え方や知識をずいぶん貰いました。
現在、妻の実家の別荘に別棟を建てて、75〜76年から現在までの少年サンデー、少年マガジン、少年ジャンプ、少年チャンピオンの全号を保存しています。総数は軽く6000冊超。嬉しいため息といえばその通りだけど、今は運び込んでいるだけの状態。いずれ何とかします、という約束を“マンガ様”としています(笑)。
家庭を持ってからは、ゆっくりマンガに没頭できる空間はトイレだけ。常に読まなきゃいけないマンガが積んであって(苦笑)、何度も何度もトイレに行かなきゃならないんですよ。
以下、タケカワユキヒデが薦めるマンガの名作20作品。
- きりひと讃歌 全3巻 手塚治虫著、小学館文庫
- 漂流教室 全6巻 楳図かずお著、小学館文庫
- 餓鬼 全2巻 ちばてつや著、ホーム社発行、集英社発売
- 佐武と市捕物控 全10巻 石ノ森章太郎著、小学館文庫
- 11人いる! 全1巻 萩尾望都著、小学館文庫
- 0(ゼロ)マン 全2巻 手塚治虫著、秋田文庫
- 火の鳥 全13巻 手塚治虫著、角川文庫
- シュマリ 上・下巻 手塚治虫著、KADOKAWA絶品コミック
- 男おいどん 全6巻 松本零士著、講談社漫画文庫
- 日出処の天子 全7巻 山岸凉子、白泉社文庫
- 吉祥天女 全2巻 吉田秋生著、小学館文庫
- へうげもの 1〜8巻(連載中) 山田芳裕著、講談社
- 鬼龍院冴子探偵事務所 1〜3巻(連載中) 三上龍哉著、小学館
- BLOODY MONDAY 1〜10巻(連載中) 龍門 諒+恵 広史著、講談社
- ディアスポリス 1〜12巻−異邦警察−(連載中) すぎむらしんいち他著、講談社
- 日本沈没 全15巻 小松左京原作、一色登希彦著、小学館
- 築地魚河岸三代目 1〜26巻(連載中) 大石賢一原案協力、はしもとみつお作画、小学館
- 美味しんぼ 1〜102巻(連載中) 雁屋 哲作 花咲アキラ画、小学館
- チェーザレ 1〜6巻(連載中) 惣領冬実著、講談社
- ココナッツピリオド 1〜2巻(連載中) 山田玲司著、小学館
タケカワユキヒデがこんなにも漫画が好きだとは初めて知ったなぁ。しかも並大抵の好きとはどうやら違うレベルのようだし。少年漫画誌を全号保存とか凄過ぎです。
ラインナップ的には、やはり古い作品が多いのかな? という印象。そんな中、「BLOODY MONDAY」であるとか、ちょっと毛色が違うものも入っているところは興味深いね。「ディアスポリス」とかいう作品が個人的には気になった。