菅直人首相はオルダス・ハクスリーの「すばらしい新世界」に影響を受けたらしい
菅新内閣発足を記念して、彼が影響を受けたとする本を紹介してみる。
菅直人 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8F%85%E7%9B%B4%E4%BA%BA
高校時代に読んだオルダス・ハクスリーの『すばらしい新世界』の影響を受け、自身の政治哲学として「最小不幸社会」の実現を掲げている。
vol.12 菅 直人 衆議院議員Japan Producer インタビュー|NPO法人ドットジェイピー
http://www.dot-jp.or.jp/mm/interview/jpi/12/
菅議員は政治に関して、とてもシンプルな哲学を持っているように思えるのですが。
そうですね。僕が創りたいのは『最小不幸社会』なんです。
僕は高校時代に『素晴らしい新世界』という本を父に薦められて読みました。そこでは、政府にすべてを管理された社会が書かれていて、政府の管理によってすべての人が幸福なんですね。人間を強制的に幸せにする社会なんです。
でも、徹底的な政府の管理によるユートピア社会は、僕にはものすごい非人間的な社会に見えました。結局、人間は神様やロボットではないんですね。でも、だからこそ、多様性も可能性も生まれるんです。そして、だからこそ、政治が必要なんです。
その間違いも犯す人間が住む社会のなかで僕が成し遂げたいのは、「最小不幸社会」なんです。人間を強制的に幸福にする社会ではないんです。それをやってしまったら、人間であることも否定してしまう。ある程度以上幸福になるのは個人の努力によるべきだと僕は思っています。多様性のある人々の住む社会で個人の努力だけではうまくいかない問題を政治で解決すること。それが最小不幸社会です。あなたの一番好きな女の子をあなたが自分の彼女にできるかどうかは残念ながら政治の問題ではないです(笑)。それは自分の努力によりますからね。ただ、可能性のある子供たちがちかくに学校がなくて勉強できない、自分の可能性を伸ばせない。そういった問題は政治でカヴァーできる訳です。
すばらしい新世界 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%99%E3%81%B0%E3%82%89%E3%81%97%E3%81%84%E6%96%B0%E4%B8%96%E7%95%8C
概要
発表された時の書評は否定的な内容のものばかりだったが、未来を予見することの多いSF小説の中でも、その洞察の深さから昨今とりわけ高い評価を受けている作品である。バラ色の陶酔に包まれ、とどまるところを知らぬ機械文明の発達が行きついた人間が自らの尊厳を見失うその恐るべき逆ユートピアの姿を、諧謔と皮肉の文体でリアルに描いた文明論的SF小説であり、描写の極端さが(多くのSF小説にあるように)きわめて諧謔的であるため、悲観的なトーンにもかかわらず、皮肉めいたおかしみが漂っている。本作は、ジョージ・オーウェルの『1984年』とともにアンチ・ユートピア小説の傑作として挙げられることが多い。登場人物の名前に「マルクス」「レーニナ」「モンド」「モルガン」といった有名人の名を付けている。また、人工子宮で胎児を育てる話などJ.B.S.ホールデンの「ダイダロス、あるいは科学と未来」Daedalus or Science and the Future(1923年)に多大な影響を受けている。
まあ、いわゆる管理社会を題材にした物語というわけか、本書は。菅さんはそれを反面教師のようにして、政治を行いたいということらしい。
↓ で、そんな菅さんが副総理時代に行ったのがこれ。
幸せが数字で分かるの? 政府が「幸福度調査」実施へ
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100228/plc1002281807009-n1.htm
鳩山由紀夫首相は28日、菅直人副総理・財務相、仙谷由人国家戦略担当相らと公邸で会い、6月をめどに決定する成長戦略の指標とするため国民の「幸福度」調査を実施することで一致した。
結果は以下のとおり。
日本人の幸福度は10点満点で「6.5」 内閣府調査
http://www.asahi.com/national/update/0427/TKY201004270274.html
調査は3月に15歳から80歳未満の4千人を無作為に選んで実施。「とても幸せ」(10点)から「とても不幸」(0点)まで11段階で幸福度を質問した。その結果、回答を寄せた2900人の平均は6.5点。11年前に行った同様の調査の6.3点を上回った。2008年の欧州28カ国の平均は6.9点だったという。
菅首相に代わって、この幸福度がどこまで上がるのか期待したいものです。あくまで冷静にだけど。
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