京極夏彦の十戒


十戒―旧約倫理の枠組の中で



31 :ノックスの十戒:02/02/16 23:32 ID:?
ロナルド・A・ノックス(1888〜1957)が「1928年度傑作探偵小説集」の序文の中で提唱 した、ミステリ作家が読者に対してフェアであるために守らなければならないルール。

 1・犯人は小説の初めから登場している人物でなくてはならない。又、読者が疑うことの出来ないような人物が犯人であってはならない。
(例・物語の記述者が犯人)

 2・探偵方法に超自然力を用いてはならない。(例・神託、読心術など)

 3・秘密の通路や秘密室を用いてはいけない。

 4・科学上未確定の毒物や、非常にむつかしい科学的説明を要する毒物を使ってはいけない。

 5・中華人(中国人)を登場せしめてはいけない。

 6・偶然の発見や探偵の直感によって事件を解決してはいけない。

 7・探偵自身が犯人であってはならない。

 8・読者の知らない手がかりによって解決してはいけない。

 9・ワトスン役(探偵の助手)は彼自身の判断を全部読者に知らせるべきである。又、ワトスン役は一般読者よりごく僅か智力のにぶい人物がよろしい。

10・双生児や変装による二人一役は、予め読者に双生児の存在を知らせ、又は変装者が役者などの前歴を持っていることを知らせた上でなくては、用いてはならない。

江戸川乱歩(別項)「幻影城」(別項) より

518 :京極夏彦十戒:04/03/26 00:41 ID:?
 1・犯人は小説の初めに登場している人物であるかもしれない。又、読者が疑うことの出来ないような人物が実は犯罪の解決者かもしれない。
(例・物語の記述者が主人公)

 2・探偵方法に超自然力を用いてもよろしい。(例・他人の過去が視えるなど)

 3・世界に探偵は唯一人でなければならない。探偵とは孤高の存在である。

 4・科学上未確定の法則や、非常にむつかしい科学的説明を要する説明を使っても問題ない。この場合は全ページの3割を薀蓄にあてること。

 5・本当の妖怪を登場せしめてはいけない。

 6・偶然の発見や探偵の幻視によって事件を解決するのはべつにいいよね。

 7・探偵役自身がぢつは犯人の関係者かもしれない。

 8・読者の知らない手がかりによって解決してよいのは憑き物落としの人だけである。

 9・ワトスン役(探偵の助手)は彼自身の判断を全部読者に知らせるべきである。又、ワトスン役は一般読者よりごく僅か智力の猿か鳥がよろしいかと。

10・双生児や変装などによる二人一役は、予め読者に双生児の存在を知らせ、又は変装者が幼女などの特性に憑かれていることを知らせた上でなくて は、用いてはならない。




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