綿矢りさ 「書くことも考えることも昔とあまり変わってない」
『勝手にふるえてろ』 綿矢りささん 著者来店 本よみうり堂
http://www.yomiuri.co.jp/book/raiten/20100921-OYT8T00546.htm?from=yoltop
会社の経理課で働く26歳OLの良香の心には、「イチ」「ニ」と呼び分ける2人の男が住んでいる。
中学時代から好きだったさらさらな髪の毛をした青年。最近つき合い始めた元体育会系、少しビール腹の営業マン――。1番目と2番目に好きな相手との間で、揺れる女心を軽やかに描いた。
社内では<いい加減な精算書出すのをやめてください>と経費を厳しくチェックする主人公が、実は現実の恋愛を苦手とする設定だ。執筆の際、文芸春秋の経理を担当する部署を訪ねた。「経理処理は月決めで、自分の担当をこなさないと周囲に迷惑がかかるので長く休めないと聞き、大変だと思いました」
あぁ、なんかこういうほわ〜んとした発言を聞くと、やっぱり作家さんて多少なりとも短い期間でもいいから社会人経験は欲しいところだなと感じちゃうね。
17歳のとき『インストール』で文芸賞、19歳で史上最年少の芥川賞を受賞した。そのデビュー作には、女子高校生がインターネット上で26歳の人妻に化ける場面がある。同じ年齢になった今、どう感じるのだろう。
「昔は26歳になれば、子供がいて、ガシガシ働いてと思っていた。大人に見えたんですね。でも書くことも考えることもあまり変わってない」
「勝手にふるえてろ」の評判なりを見たりすると、「蹴りたい背中」とかとほとんど変わっていないという指摘を各所でよく見かける。本人もそういう自覚があるということなんだろうか?
大学卒業後、京都に暮らす。4冊目の著書は3年ぶり。その間、途中で書きやめたり、試行錯誤が続いた。
「最近は、あまり文学的でなくても、もっと自由に書けばいいと思うようになりました」
彼女の場合、もうある程度作風が定着してると思うので、気にせず自分の思うように貫けば良いと思うよ。なんとなく。
綿矢りさ 『勝手にふるえてろ』|文藝春秋 特設サイト
http://bunshun.jp/pick-up/furuetero/
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