ヨーロッパがアフリカより優れているからアフリカが支配された、のではありません


アフリカ 苦悩する大陸



63 :名無し物書き@推敲中?:2011/09/04(日) 20:01:19.61 ID:?

ヨーロッパがアフリカより優れているからアフリカが支配された、のではありません。
むしろ、ヨーロッパはアフリカを支配することでヨーロッパ>アフリカ(と人々が信じている)という世界を作り出したのです。

16世紀以降の北西ヨーロッパを中心として成立した資本主義的世界システム
アフリカをその内側に組み込んだとき、アフリカはそのシステムにおいては資源を
収奪される従属地域にさせられていったのです。
アフリカが従属したのは、ヨーロッパ資本主義システムが富の移動(という名の収奪)を
もっとも効率的に行えるものだったから、というだけです。

ヨーロッパがやってくる以前には、アフリカにも東南・東アジアにもラテンアメリカにも、
ヨーロッパとは違うけれども文明が存在し、また独自の豊かな経済圏を形成していました。

ヨーロッパが偉大に見えるのは、アフリカやアジア、ラテンアメリカを従属地域にしていく
ことによって得た富のせいです。
たとえば、いわゆる大英帝国が「小さな政府」で繁栄したのは、富と軍事力をインド
植民地から吸い上げていたからです
(この点を見逃している歴史家が日本には多い)。

ヨーロッパ文明が偉大だからアフリカやアジアを支配した、というのは、原因と結果を
転倒させた議論です。
ヨーロッパとアジア・アフリカの「関係の歴史」を無視して両者を比較することは、
俗に言う「近代化論」がそうであるように、
欧米による発展途上国の経済的支配を正当化する論理です(関係性を無視すれば、
アフリカの苦境はアフリカ人の能力不足の故であるという結論をスムーズに導き出せる)。

詳しくは、ウォーラーステイン世界システム論やアンドレ・グンター・フランクの議論をお読みください。




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