ピッコロ大魔王の所信表明演説概要
引用元:http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/rcomic/1339240696/
荒らされるくらいなら正義の話をしようか。
ピッコロ大魔王の所信表明演説概要
・私が嫌悪する言葉は「正義」と「平和」です。
・私は国民を縛り付けようとは考えておりません。
・国民は好きなように自由に振る舞うべきです。
・警察は廃止します。
・戦争、暴力、強盗、殺人に至る全ての行為を自由化します。
・自らを悪人だと自覚する人は何をやっても構いません。
・ただし正義を自覚しそれを実行する人は私たち魔族が制裁致します。
・悪と恐怖に満ちた素晴らしい世界になるでしょう。
・1年に1度、1地区ずつを破壊します。
・被害を受けても一瞬なので苦しむことはありません。
・私は恐怖に引きつる人間の顔を見たいだけです。
・命を代償とするなら私にミサイルを撃っても構いません。
ここで矛盾が起きる。
悪人がピッコロ大魔王を殺し王座を奪うことをピッコロ大魔王が否定すれば、それはピッコロ大魔王が正義だということになる。
ピッコロ大魔王は悪の世界を実現するために政策を変えなければならない。
つまり悪の自由化ではなく、「私の言うことだけが正しい」とする人治システムへの方針転換である。
しかしさらに矛盾が起きる。
自らを正しいと称し始めればそれは正義となってしまう。
自らを悪と名乗る悪のパラドックスは解決できない。
次に自らが悪人であることを自覚している悪人に向けてのメッセージはあるが、自らが悪人だと自覚していない悪人へのメッセージがない。
ビン・ラディンやブッシュが悪か正義かは議論が割れるところと思うが、少なくとも彼は自分たちが正義だと自覚している。
同様にあらゆる宗教団体も正義を自称しており、軍隊や武装組織などの暴力装置や宗教団体は正義を行えなくなる。
しかし法治システムの手続きを踏まず悪人を殺したり拷問したり収奪する行為は悪であり、これは実行することができる。
自らを悪人と自覚できるのはチンピラやマフィア程度の小悪党だけであり、つまり正義の軍隊や元警察は悪を自称して悪人を思う存分に懲らしめることができる。
ピッコロ大魔王の政策は治安をむしろ良くする。
これからの「正義」の話をしよう
(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
posted with amazlet at 12.06.10
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