『悪の華』〜読者へ〜 訳文(抜粋)
引用元:http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1342700288
悪の華・〜読者へ〜訳文 抜粋
愚かさ、過ち、罪、そして吝嗇が僕らの精神にはびこり、僕らの肉体を苦しめる。
そして僕らは愛する後悔たちに餌を与える、それはちょうど、乞食が回虫を育てているようだ。
僕らの罪は強情で、僕らの悔やむ思いは臆病だ。たんまりと支払いをしたうえでの告白の後、
僕らは愉快に泥まみれの道を辿って帰っていく。
毎日、僕らは地獄へと向かって降りていく、一歩ずつ、恐れることもなく、悪臭を放つ暗闇を通って。
貧しい放蕩者が、老いた売春婦の殉教に苦しめられた胸にむしゃぶりつくように、
僕らは通りがけに隠れた快楽を求め、古びたオレンジのようにそれをきつく絞ろうとする。
悪魔の群れが僕らの脳の中で騒いでいる。呼吸をすると、死が肺の中へと降りてくる。
もしも強姦や毒や短刀や放火が、僕らの哀れな運命のありふれたキャンバスを
その愉快な挿絵で、飾り立てていないとするなら、
それは僕らの魂が、あぁ! まだ十分大胆でないだけだ。
僕らの悪徳というおぞましい動物園の中にいる怪物たちの中には、
最も醜く、最も意地が悪く、最も汚い奴がいる。
おおきな仕草も、大きな叫び声もあげはしないが、
そいつは喜んで地球全体をガラクタに変えてしまうだろう。
そいつとは、憂鬱だ!
― 望みもしない涙に眼は濡れ、水煙草を吹かしながら、死刑台を夢見ている。
君も知っているだろう? 読者よ、この軽妙な怪物を
― 偽善的な読者よ、― 僕の同類よ、― 僕の兄弟よ!
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