【上半期】書評家・大森望おすすめ、今年のベストSF小説3冊
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テレビ番組で大森望がSFについて語るらしいという話をたまたま小耳に挟んだので、せっかくだから録画してみてみた。
やはりタイミング的に『屍者の帝国』の話が多いのだろうなと思っていたんだけど、まあ予想通りでそんな感じ。それから、それらに関連して伊藤計劃・円城塔の略歴を語るということに多くの時間を割いていた感じだった。
結構聞いたことがある話ばかりだなぁと、ちょっとダラダラ観ていたんだけど、最後に大森望がおすすめするSF小説を紹介するコーナーがあって、そこの部分だけは興味深く観させていただきました。
で、彼が紹介していた作品は以下の3冊。
★神林長平『ぼくらは都市を愛していた』
急に若い者には負けてはいられないということで、大ハッスルしてですねえ、今なおすごい勢いで頑張っているベテラン作家。
今までの神林長平という名前を全部捨て、今まで書いてきたものとは全然違うものを書こうということで出したのがこの長編作品。
★山田宗樹『百年法』
よくほら、不老不死の話とか、みんな空想で色々出て来るじゃないですか。でも実際に本当に不老不死が起こった時に、社会ってどんなことが起きるかっていうことを結構綿密に検討している作品。
★パオロ・バチガルピ『第六ポンプ』
全体として、やっぱり今の世の中が抱える問題点を未来の話として描き出して、結構そのゾッとする話もあれば笑える話もあるという感じですね。
これら作品について大森さんは結構色々と語ってはいたんだけど、それらがほとんど作品のあらすじのような感じばかりだったので、ネタバレになったらいけないと思い、なかなか彼の言葉を引用しづらい部分が多くて以上のような感じになりました。個人的には『百年法』が気になってしょうがない、いつか読もう。
あと、SFの面白さについて語っていた部分があったので、その部分も引用しておきます。
SFの面白さっていうのは、有り得ないことを一生懸命考えて、もし本当にこうだったらどうなるかっていうことを徹底的に突き詰めて、それを読んでいくと逆に今の原発の問題であるとかワーキングプアの問題とかですねえ、今ある問題が全部今とは全然違うはずの世界の話なのに今の問題が全部そこに映し出されている。そういうのが一つのSFの機能だと思いますね。
まあ、要するに世の中の全ての事象においては、有り得ないということが有り得ないってことなのだろうね。SF小説に書かれた未来の提言のようなものに、必ず人類は追いついていくということなのかもなぁ、良い事であれ悪い事であれ。そう考えると、なんだか背筋がゾクゾクっとしますな。
最後、某掲示板にこんなことが書かれていた。
引用元:http://toro.2ch.net/test/read.cgi/sf/1341993268/
確かに似ているw 声も微妙にそっくりだよね。
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