『寄生獣』連載終了時の作者コメント
引用元:http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1352185055/
これまで数多くのご声援ありがとうございます。
『寄生獣』は私が考えうる最良の形で終了できました。
最良とは、例えば出版社のスケジュールだとか、どっかから抗議や圧力があったとか、
作者の金銭欲だとか、そうしたものは一切関係なく、
純粋に物語の自然な流れの命ずるままに、何者にもじゃまされることなく
最良の形を模索して、無事終着点にたどりつけたという事なのです。
むろんこれが太っ腹なアフタヌーン編集部のバックアップと、
多くの読者の方のご声援に支えられてのことであるのは言うまでもありません。
かさねてお礼申し上げます。
「まだ続けてほしい」とのお便り、多数いただきました。
これも作者としてはありがたい気持ちでいっぱいになります。
ただ、漫画家にも作品に対する考え方がそれぞれあります。
人気が続き需要のあるうちはいつまでもキャラクターたちに活躍してもらうという無期限進行型と、
物語が終了した時がやっと完成であるという作品完成型に分かれると思います。
私は後者であり、現在の日本の漫画界では少数派になるかもしれません。
すなわち『寄生獣』は月刊連載という形をとりながらも長い長い1話の物語であったわけです。
無理に伸ばしたり引っぱったりして完成作をいびつな形にするわけにはいきません。
そんなわけで岩明均の『寄生獣』は終了です。
物語の続きはファンの皆様お一人お一人がお考えください。
岩明均
(アフタヌーン'95年3月号より)
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