中学生の頃、我が家で飼い始めたミドリという猫の話


にゃん辞苑: 猫の気持ちがわかる辞書


引用元:http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/dog/1299981083

81 :わんにゃん@名無しさん2011/09/14(水) 20:40:58.16 ID:Y+Wj5sbH

みんな感動話なのでこれを書くのも気が引けつつ…

中学生の頃、我が家で飼い始めたミドリという猫の話。
ある日私はミドリを散歩に誘ってみた。
猫のような気ままな生き物がリードなしで人間なんかと散歩するのだろうか?という素朴な疑問、そしていつもどこで遊んでいるのかが知りたかった。
私達は一緒に玄関を出てまず公園に行った。
もしかしたら私だけ置いてけぼりを食らってミドリだけどこかへ行ってしまうんではないかと不安になりつつ、ミドリと付かず離れず3mほどの距離を保って後を歩いた。
一方ミドリも私に気を使ってくれたのか、猫にしか通れない場所を避けながら案内してくれている様に見えた。
私達はミドリがいつも立ち寄るとおぼしき散歩スポットを次々と巡った。
公園の裏、公団住宅の植え込み(中はまるでトンネルの迷路の様だった。)その公団の奥にある更に小さな公園…
そこを抜けて生活用水の流れるあたりは小さな草原になっていた。
アマガエルやバッタが見渡す範囲のそこかしこに潜んでいる。
ミドリはここでちょっとしたハンティングを披露してくれた。
(結局捕まえる事は出来なかったのだけど。)
背の高い草が生えた場所でかくれんぼもした。
ミドリはかくれんぼが得意で自宅でも好んでよくやっていた。
大体一時間ちょいぐらい遊んだだろうか。
少し疲れて草原の近くの公園のベンチに座っているとミドリもやって来てベンチに腰掛けた。
首を伸ばしながら鼻をすんすんさせていた。
きっとミドリは夏から秋に変わりゆく草や土の匂いを嗅いでいたと思う。
私もそんな青臭さを吸い込みながらどこかから流れてくる晩ご飯の匂いをキャッチした。
お腹空いたから帰ろうか。
今度はどこにも寄らず近道を歩いた。
肌寒い時期だったからか疲れて満足したのかは知らないがミドリは黙って抱っこされていた。

今から17年前の話。
秋の思い出です。





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