太宰の娘と司馬遼太郎
引用元:http://toro.2ch.net/test/read.cgi/book/1340951612/
奈良での夜は、奈良公園の料亭で、ごちそうがたくさん出ました。
私がびっくりしていると、司馬先生が独身女性の私に、「どんどん食べなさい。治子さん、食べて太ったほうがいい」と何度も言われたのを覚えています。
旅行を終えてしばらくすると、「街道をゆく 奈良散歩」が週刊朝日で掲載されました。
司馬さんは奈良と近江が本当に好きなんだと何度も言われていたし、それが行間にあふれていました。
母の静子は興福寺の阿修羅が大好きで、私が子どものころから玄関に阿修羅の写真がずっと飾ってありました。
私は物心がついてから、その阿修羅の顔が母に似ていると思っていました。母は踏ん張って気持ちを抑えて生きていましたから。
司馬先生も阿修羅について力を入れて書かれていたので、そんなことを考えました。
私がびっくりしていると、司馬先生が独身女性の私に、「どんどん食べなさい。治子さん、食べて太ったほうがいい」と何度も言われたのを覚えています。
旅行を終えてしばらくすると、「街道をゆく 奈良散歩」が週刊朝日で掲載されました。
司馬さんは奈良と近江が本当に好きなんだと何度も言われていたし、それが行間にあふれていました。
母の静子は興福寺の阿修羅が大好きで、私が子どものころから玄関に阿修羅の写真がずっと飾ってありました。
私は物心がついてから、その阿修羅の顔が母に似ていると思っていました。母は踏ん張って気持ちを抑えて生きていましたから。
司馬先生も阿修羅について力を入れて書かれていたので、そんなことを考えました。
明るい方へ 父・太宰治と母・太田静子 (朝日文庫)
posted with amazlet at 12.12.28
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