星新一『妖精』の粗筋
引用元:http://toro.2ch.net/test/read.cgi/book/1365342084/
星新一の「妖精」粗筋
…とある若い女性のところに妖精がやってきました。彼女は頭もいいし、美人で才能も
ありましたが、ライバルの存在がとても気になっていて、なんとか1歩リードして
やりたいという思いでいつも頭が一杯でした。
そんな彼女に妖精は「何でも願いを叶えてあげるわよ」と言います。
「素敵な恋人でも?」 「もちろん」
ライバルに恋人がいないことを知っていた彼女は喜びます。
「じゃあお願いするわ。これであの子を見返してやれる」
すると妖精は「ちょっと待って」と言い、妖精が叶える願い事のルールを知らないの?と
言い出します。願いが叶うとき、ライバルにはその2倍がもたらされるのだと。
「つまりあなたのライバルには素敵な男性が2人現れるのよ」
それを想像したとたん、つまらなくなった彼女は「じゃあ恋人はやめるわ」と言います。
「宝石でもいいのよ」と妖精は言ってくれますが、「ただし、ライバルには2倍の大きさの
宝石がいくけど」と言われると、それも欲しくなくなります。せっかく手に入れても、
ライバルに自慢できないんじゃ意味がない、と思えるからです。
「妖精って意地悪ね」とぼやく彼女に、「そうかしら?私たちはなんでも叶えてあげられる
のよ。断っているのは人間のほうじゃない。どっちが意地悪かしら?」と妖精は言います。
(続き)
彼女は必死に願い事を考えました。欲しいものはあれこれ浮かんでも、敵視しているあの子
がその倍を手に入れると思うと、どうしても願い事を口にすることができません。
「そんなにライバルを見返してやりたいならこんなのはどう?」と妖精が提案します。
「自分が醜くなるように願えばいいのよ。そうしたら相手はもっと醜くなるわ。片手を怪我
するように願えば向こうは両手を怪我するのよ」
理屈はそうかもしれないけど、自分を醜くしてくれ、なんて願う女性がどこにいるでしょう?
さんざん考えたあげく、彼女は素晴らしいことを思いつきました。
「やっと決まったわ。これをお願いするわ」 「なあに?」
「ライバルのあの子に取りついてちょうだい。なんでもできるんでしょう?」
妖精はそれを聞いてもあまり驚きませんでした。
「みんな同じようなことを言うのね。わかったわ。でも私は二度と戻って来られないのよ」
「構わないわ」
そして妖精は飛び去り、二度と姿を現しませんでした。
彼女はわくわくしながら待ち続けましたが、いくら待っても一向に良いことは起こりません。
その意味を考え、やっと彼女は悟りました。
「私は彼女をライバルだと思い込んでいたけど、彼女は私をライバルだなんて思っていなかったんだわ…」
>>961>>962
とんちが効いていてなかなかよい。
人類は衰退しました 妖精さんシリーズぱーとわん 妖精さん 妖精ダンスセット (1/2スケール PVC製塗装済み完成品)
posted with amazlet at 13.06.16
あみあみ (2013-08-31)
売り上げランキング: 1,079
売り上げランキング: 1,079
【関連記事】
- 『ボッコちゃん』て改変されてるの?
- 小学校の国語の教科書に、「おみやげ」という作品が載っていた
- 祖母からうちは星新一の親戚だという話を聞いて少し興味を持ったんだけど、彼の作品で読みやすい作品って何でしょうか?
- SF作家と囲む闇鍋の会
- 北杜夫の交友範囲
→月別よく読まれた記事ランキング
→Twitterで更新情報を配信しています
→Facebookで更新情報を配信しています