三島由紀夫の小説には演劇的だという欠点があるとは昔よく言われたことで、本人も認めていた
引用元:http://toro.2ch.net/test/read.cgi/book/1344563335
三島の小説には演劇的だという欠点がある、
とは昔よく言われたことで、本人もみとめていた。
しかし、それは日本文壇的尺度に照らしての欠点であって、
世界的にはむしろ長所ととられるだろう。
あるいは、三島の小説は、多くがエピソードをつないでいく、という、
ひじょうに欧米的な手法で書かれている。こういう「欧米的」なものは、
むしろ戦前の講談小説の流れなのである。
さらに、象徴詩的レトリックを多用するので、
今日的な意味でのイメージ喚起力がつよい。
現代もの、時代物を問わず、日本の娯楽小説が、そういう手法を踏襲していれば、
こんなに衰退しなかっただろう、と思う。
昨今特にそういう小説が少ないのは、テクニック的に難しいかあらではあるが。
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