柳田邦男が薦める必読のノンフィクション20作品



斯界の大家 柳田邦男が薦める必読の重要作(1)
http://president.jp.reuters.com/article/2010/03/15/6C5A1468-2DB3-11DF-8DA6-D1013F99CD51.php

斯界の大家 柳田邦男が薦める必読の重要作(2)
http://president.jp.reuters.com/article/2010/03/16/535BEEEC-2DB7-11DF-9B5D-77EF3E99CD51.php

日本のノンフィクション作品は、常に「時代」を映し出してきました。戦争をテーマとした作品が中心だった戦後の約20年間があり、1970年代には現代社会の抱える新しい病理=公害などの問題が描かれ始める。そして80年代から90年代にかけて、新たな特徴として現れたのが「闘病記」というジャンルです。

「生と死」というテーマは、あらゆるノンフィクション分野に通ずるものです。なかでも人間の本質が見えてくる場面として、戦争の極限状態が挙げられます。そしてその極限状態は「戦場」にだけあるものではありません。

有名無名にかかわらず、人は誰しもが大変なドラマ、物語をもって生きています。ノンフィクション作品に親しむことは、その「ドラマ」を時代の中に位置づける作業であり、自分の立ち位置を理解する標(しるべ)になるといえます。自らの人生を、より深く脈絡をもって理解し、これからの人生に大切なものは何かという「気づき」を与えてくれるのではないでしょうか。


以下、柳田邦男が薦める必読のノンフィクション20作品。


「死の医学」への序章 (新潮文庫) 滄海よ眠れ 1 火花―北条民雄の生涯 (角川文庫) リターンマッチ (文春文庫) イサム・ノグチ(上) (講談社文庫)


たとえ病むとも 証言水俣病 (岩波新書) 新装版 苦海浄土 (講談社文庫) ドキュメント 戦争広告代理店 (講談社文庫) 収容所(ラーゲリ)から来た遺書文春文庫


散るぞ悲しき―硫黄島総指揮官・栗林忠道 (新潮文庫) もの食う人びと (角川文庫) 敗れざる者たち (文春文庫) こんな夜更けにバナナかよ 病院で死ぬということ (文春文庫)


  • ぼくもいくさに征くのだけれど 稲泉 連著、中公文庫
  • 朽ちていった命 NHK東海村臨界事故」取材班、新潮文庫
  • なぜ君は絶望と闘えたのか 門田隆将著、新潮社
  • 藤田嗣治「異邦人」の生涯 近藤史人著、講談社文庫
  • 五衰の人 徳岡孝夫著、文春文庫

ぼくもいくさに征くのだけれど―竹内浩三の詩と死 (中公文庫) 朽ちていった命―被曝治療83日間の記録 (新潮文庫) なぜ君は絶望と闘えたのか 藤田嗣治「異邦人」の生涯 (講談社文庫) 五衰の人―三島由紀夫私記 (文春文庫)




ドキュメント戦争広告代理店」と「なぜ君は絶望と闘えたのか」以外はどれも読んだことがないなぁ。やっぱり“人間性”を高めようと考えるならば、それを読書で効果を得ようとすると、たぶんノンフィクションは避けて通れないのだろうね。


そこに真実があるという事実。それだけ衝撃の幅は広いだろうし、それを受け止める自分自身も大きくならなければならない。そうあらなければいけない。マイ読みたい本リストに入れておきます。



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