田原総一朗が薦める必読の企業・経済小説13作品



田原総一朗が薦める必読の企業・経済小説(1)
http://president.jp.reuters.com/article/2010/03/17/08D49C9E-2FE1-11DF-A389-762A3F99CD51.php

田原総一朗が薦める必読の企業・経済小説(2)
http://president.jp.reuters.com/article/2010/03/18/F20A21A8-2FE2-11DF-8D63-C1083F99CD51.php

残念ながら企業・経済小説は文壇で理由なき差別を受けています。時代小説や恋愛小説などは直木賞芥川賞の対象になるのに、企業小説はならない。ノンフィクションには大宅壮一賞という知名度の高い賞はあるけれど、企業小説はそれに該当するものがない。

文壇には、作家が企業内外の謀略や暴露まがいの行為を描くのは品がないという偏見がある。

企業小説ほど、「時代」を浮き彫りにするジャンルはないと思います。企業のオモテもウラも、生々しく書くから、“空気”まで表現できる。ヴィヴィッドな時代のエッセンスが、作品の中に凝縮されて息づいているのです。


では、優れた企業小説と平凡な企業小説を分ける最大のポイントは何か。それは「タブーに挑戦しているか、いないか」です。タブーに挑戦するとは、作品内に実在モデルを登場させること。企業名や名前などは架空のものでも、読者が「あぁ、あの企業のあの社長だ」などとイメージできればいいのです。

企業小説は現実世界のノンフィクションの要素に加え、想像力も求められる。ノンフィクションが、取材を積み重ねて事実を描くものだとすれば、企業小説は取材した事実を基に想像力を働かせて、真実に迫っていくものだからです


以下、田原総一朗が薦める必読の企業・経済小説13作品。


毎日が日曜日 (新潮文庫) 首都圏銀行 バイアウト~ハゲタカ2~上 (講談社BIZ) 傷―邦銀崩壊〈上〉 (文春文庫) 希望退職を募る―小説・企業再建 (講談社文庫)


覇権への疾走 金融腐蝕列島 (上) (角川文庫) 十三人のユダ 1 若き北一輝 (評伝 北一輝)


凛冽の宙 (講談社文庫) 巨大投資銀行(上) (角川文庫) 華麗なる一族〈上〉 (新潮文庫) 金環蝕 (岩波現代文庫)




僕の場合「ハゲタカ」や「バイアウト」など、真山仁の作品を読んでから企業小説の類に興味も持った人間なので(要するにミーハー)、こういったリストは非常に有難い。次に何を読めばいいだろうと思っていたところだし、参考にさせていただきます。


それにしても、企業小説って直木賞の対象にはならないのかぁ…。ちょっと不公平な感じは否めない。