俺「生きてる意味ってなんだろう。君にとっては何?」   ロボ「搭載サレタ機能ノ範囲デ、与エラレタ任務ヲ、実行スルコト、デス」


あなたは生きているだけで意味がある



35 :考える名無しさん:2011/11/15(火) 20:48:27.39 0 ID:?
俺「生きてる意味ってなんだろう。君にとっては何?」

ロボ「搭載サレタ機能ノ範囲デ、与エラレタ任務ヲ、実行スルコト、デス」

俺「与えられた任務って、人間に?」

ロボ「ハイ」

俺「だろうな・・・じゃあ人間も一緒か。生物として種を残す任務・・
でもそれだけならサルのままでいいはずだよな。人間になる必要ない・・」

俺「人間として生きる意味ってなんだろう?」

ロボ「人間ニ、命令ヲ受ケル、機械ノ私達カラ言エバ
スナワチ“人間ニ任務ヲ与エル者”ノタメニ、生キル。トナリマス」

俺「“人間に任務を与える者?”・・・・?」

俺「・・・・・誰だ・・・・?」

ロボ「私ニモ、データハアリマセン。
シカシ、人間ヨリ上位ノ命令系統トナル概念ハ存在シマス」

俺「それは?」


ロボ「“カミ”ト呼バレル者デス」


37 :考える名無しさん:2011/11/15(火) 21:20:21.94 0 ID:?
俺「うーん・・オレは熱心に神を信じるタイプじゃないしな
正直、神様作ったのは人間だろ?それが人間の命令系統になるのってどうなんだろ」

ロボ「私タチ機械ハ、人間ノ持ツ“想像”ト“創造”ヲ持ッテ、作ラレマシタ」
ロボ「ソレハ人間ノ“欲望”ヲエネルギー源トシ、軍事力・経済力・利便性ナドヲ目的ニ、発展シテイキマシタ」

俺「まぁ生活が豊かになるのは嬉しいからな。エネルギーも土地も有限とくれば、奪い合いにもなるわな」

ロボ「ハイ。シカシ人間ノ欲望ノエネルギーハ、限リガナク、ソノ明確ナ“任務完了事項”ガ設定サレテイマセン
私タチ機械は、任務開始→行動→完了。マデノ一連ノ行動ガ、アラカジメ設定サレテマスガ、人間ニハアリマセン」

俺「たしかに・・ゲーム遊んだら次のゲームが欲しくなるもんな・・
どこまで進化すれば「完了」なのか自分で考えてやってないしな」

ロボ「ソノ「完了」ハ、ツマリ「進化ノ完了」ヲ目指ス。トナリマス」

俺「人間の進化の終着点・・・つまり「完璧な世界」ってわけか?」

ロボ「ハイ、ソレヲ“任務完了事項”ツマリ“最終目的”ニスルコトデ」

俺「人間がなんのために生き続けるか。に答えを出すために、
そのゴール(終着点)を設定したってわけか」

ロボ「ハイ・・ソレガ「完璧ナ世界」・・・」


オレ「“神の世界”か・。・・」


38 :考える名無しさん:2011/11/15(火) 21:48:36.79 0 ID:?
ロボ「シカシ、不可解ナ点ガアリマス」

俺「どんな?」

ロボ「人間ガ、完璧ナ世界ヲ最終任務ニシテイル、ト仮定シテ
“ナゼ完璧ナ世界ヲ目指スノカ”ハ、依然トシテ未知ノママデス」

俺「あーそれは人間のオレのほうがまだわかるかな
つまり人間は“楽になりたい”“苦から逃れたい”ってことだろ」

ロボ「苦?楽?」

人間「ロボットのお前とは違ってオレら人間はだらしなくてな
嫌なことから逃げたり、見てみぬフリしたり、泣き言いったり
身の丈をわきまえず欲かいて失敗して、誰かのせいにしたりと・・まぁ自分勝手な生き物なんだわ」

ロボ「欲望ノエネルギーガ、計画ドオリニ、働カナイ・・・?」

俺「そんな所だな。だから機械を作って面倒な事はお前らに頼んだりしてる
それだけじゃなく容姿とか能力とか金とか地位とか、すべての快楽を味わいたいんだよ」

ロボ「シカシ物理的ニ計算シテモ、100%完璧ニハ・・・」

俺「ならないよ、でも「羨ましいなぁ」って思ってしまうんだよ
その快楽への欲求が結局、「苦悩」を産んじゃうっていう。つまり煩悩だな」

ロボ「自業自得・・・」

俺「まぁな」


39 :考える名無しさん:2011/11/15(火) 22:04:27.35 0 ID:?
俺「つまりすべての快楽を味わいたい、なおかつ苦痛や不安を打ち破りたい」

俺「この不可能に近い欲求が「完璧な世界」への動機になってるわけだ」

ロボ「ナルホド・・、私タチ機械ハ“可能”ナ範囲ニヲイテ
任務ヲ実行スルノガ、目的ノワケデスガ、人間ノ場合ハ
“不可能”ヘノ“挑戦”ガ行動原理ノ中枢ヲ担ッテ、イルト」

俺「無いものねだりが人間の行動原理ってわけだな
宗教は無いもの→(神)をねだる力とも言える。信仰者は怒るかもしれないがw」

ロボ「シカシ、“ナイ”モノヲ“アル”モノニ、シテキタノモ、人間デス」

俺「あぁ、完璧な世界とやらもいつかは・・それともすでにあったのを取り戻すためかな・・?」

ロボ「イツカハ・・・私達ニモ・・・」


俺「あぁ・・お前達にも」


40 :考える名無しさん:2011/11/15(火) 22:07:21.55 0 ID:?
生きる意味は他人の約に立つ事ですよねー!?♪。

41 :考える名無しさん:2011/11/16(水) 20:24:55.09 0 ID:?
>>40
男「他人の役に立つこと・・か、どう思う?」

ロボ「同意シマス。私タチ機械ハ、人間ノ役ニ立ツ事ヲ、目的に生産サレマシタ」
ロボ「更ニ、機械ハ機械ト“連携”スル事ニヨッテ、能率ヲ向上サセマス」

男「たしかに他人と繋がって相互利益を産むのが人間社会だしな
でも他人の役に立てるなら誰でもいいってわけじゃないからな」

ロボ「ト、イウト?」

男「たとえば戦争でお前がオレを守るために“敵”を殺したとする。
それは他人の役に立ったといえるだろうか?そこでは
“人間の役に立つために人間を殺す”という矛盾が生じているだろ?」

ロボ「・・・ソレゾレノ個体ニ設定サレタ、御主人様以外ハ“同ジ人間”ト認識スルベキデハナイト?」

男「それも含めてもっと根本的に言うと、つまり
“他人の役に立つとは=他人を取捨選択する”ということ」

ロボ「?」


42 :考える名無しさん:2011/11/16(水) 20:54:31.84 0 ID:?
男「たとえば学校が受験で生徒を選ぶ、会社が面接で社員を選ぶ。
学校も会社も「他人の役に立つ装置」であると同時に「他人を選別する装置」でもあるわけだろ?」

ロボ「私タチ機械モ、試作段階デ取捨選択サレタ後、規格化サレマス」

男「その時代や組織において「何が役に立つのか」のニーズが変わり
そのニーズに応えられなかった奴は弾かれて他の組織につく
そうやって“敵対”することではじめてヒトは誰かの役に立てるんだ」

ロボ「敵ノ敵ハ友・・・」

男「他人の役に立つために、他人を押し退ける。まさに人間の業だな」

ロボ「私タチ機械モ、ソレニ参加シテイマス」

男「お前ら機械には罪も業もないさ」


43 :考える名無しさん:2011/11/16(水) 21:14:25.85 0 ID:?
男「一番わかりやすく例えるなら
警察は市民の役に立つために存在するが、それは犯罪者がいないと成立しない」

ロボ「敵役ガイナイト、ヒーロー役ハ成立シナイ」

男「むしろ敵や悪者が生きる意味を生産してるとも言えなくもない」

ロボ「生産者トシテ感謝イタシマスカ?」

男「んなわけないだろ。そいつらもまた身勝手な意思で動いてるだけで、奉仕の心から動いてるわけじゃない」

男「ただサムライの決闘や、ルパンと銭形みたいに、敵対する者同士が、
実はお互いの存在理由を支えあってたと無意識にシンパシーを感じる瞬間はあるようだな」

ロボ「救イ・・・」

男「無駄に敵対して増長するしかない人間の唯一の救いだな」




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