『アンナ・カレーニナ』を新潮と岩波で読み比べてるんだが一長一短だね


アンナ・カレーニナ (上巻) (新潮文庫)


449 :吾輩は名無しである:2011/12/27(火) 16:59:01.73
アンカレを新潮と岩波で読み比べてるんだが一長一短だね
新潮の方が読みやすいが岩波は挿絵と登場人物リストが付いてる




450 :吾輩は名無しである2011/12/27(火) 17:48:53.78
オブロンスキー家ではなにもかも混乱してしまっていた。妻は、夫がかつて我が家にいた家庭教師のフランス夫人と関係していたことを知って、もうとても一つ屋根の下でくらすことはできないと宣言したのだ。(新潮版)

オブロンスキイ家では何もかもがめちゃくちゃだった。妻は、夫が前にうちにうた家庭教師のフランス女と関係があったことに気づいて、もはやこれ以上、一つ家に同居は出来ない、と夫に向かって言い切った。(岩波版)

オブロンスキー家は大混乱のさなかにあった。夫が以前家庭教師に雇っていたフランス女と関係を持っていたことに気づいた妻が、もう一つ屋根の下には暮らせないと、面と向かって宣言したのだ。(光文社版)




452 :吾輩は名無しである2011/12/27(火) 17:53:12.41
光文社版のクソさが際立つ 



453 :吾輩は名無しである2011/12/27(火) 17:54:22.20
まあでも新潮社版かな、この箇所だと。



454 :吾輩は名無しである2011/12/27(火) 19:07:38.48
その前に一行あるだろ。そこも較べてみ。



455 :吾輩は名無しである2011/12/27(火) 20:11:10.56
幸福な家庭はすべて互いに似かよったものであり、不幸な家庭はどこもその不幸のおもむきが異なっているものである。(木村浩

幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである。(中村融

幸せな家族はどれもみな同じようにみえるが、不幸な家族にはそれぞれの不幸の形がある。(望月哲男)




456 :吾輩は名無しである2011/12/27(火) 20:12:09.68
幸福な家庭はみな似通っているが、不幸な家庭は不幸の相もさまざまである。(工藤精一郎)
幸福な家庭はみなおたがいに似かよっており、不幸な家庭はそれぞれその家なりに不幸である。(藤沼貴)
幸福な家庭はみな同じように似ているが、不幸な家庭は不幸なさまもそれぞれ違うものだ。(原卓也
幸福な家庭は一たいによく似よったものであるが、不幸な家庭はみなそれぞれに不幸である。(中村白葉)
幸福な家庭はみな一樣に似通つてゐるが、不幸な家庭はいづれもとりどりに不幸である。(原久一郎)
幸福な家庭はすべてよく似たものであるが、不幸な家庭は皆それ/″\に不幸である。(中村白葉)
幸福(かうふく)な家庭は凡(すべ)て其の幸福(かうふく)を同(おな)じうして居(ゐ)るが、不幸(ふかう)な家庭(かてい)はそれ/″\その不幸(ふかう)を異(こと)にして居(ゐ)る。(相馬御風)
和合した家庭の状(さま)は、いづれも似通うた者であるが、然(さ)あらぬ家庭に於ては、其の不幸(ふかう)の躰(てい)が皆各差(ちが)ふ。(瀬沼夏葉・尾崎紅葉




458 :吾輩は名無しである2011/12/27(火) 20:25:42.53
大方の翻訳はどれも似たり寄ったりだが、先行訳と違う独自性を
見せようとするとそれぞれに独特の馬脚を顕わすものである。




457 :吾輩は名無しである2011/12/27(火) 20:25:39.91
比較をお願いできるなら是非一箇所比べて頂きたいところがあるんです
オブロンスキーがドリィに対して浮気の贖罪の為にドア一枚隔てて涙を流す箇所で
「彼の流す涙は同情の涙であってそこに愛は無い」と断罪する箇所。
あそこ引用してくれませんか




460 :吾輩は名無しである2011/12/28(水) 02:55:22.07
>>457
ドア一枚隔ててではなくドリーの部屋の中だね。中村白葉訳と木村浩訳。
他の訳はだれか頼みます。

 彼は彼女を見やった。彼女の顔に刻まれた忿怒が、彼を脅かし驚かした。
彼は、彼女に対する自分の憐愍が、彼女を激させたのを理解しなかったので
ある。彼女が彼のうちに見たものは、彼女に対する同情であって、愛ではな
かったのである。《いや、あれはおれを憎んでいる。とても許してはくれま
い。》こう彼は考えた。(中村白葉訳、河出書房世界文学全集、1953)

 彼は思わず彼女の顔を見た。と、その顔に表われている憎悪の色に、はっ
として、たじろいだ。彼には自分が相手にいだいた哀れみが、かえって妻を
いらだたせたことが理解できなかった。しかし、彼女が夫の中に見いだした
ものは、自分に対する同情であって、愛情ではなかったのだ。
《いや、あれはおれを憎んでいる。とても、許してはくれまい。》彼は考え
た。(木村浩訳、新潮文庫、1998)




461 :吾輩は名無しである2011/12/28(水) 07:45:09.21
彼は妻をちらっと見やった、と彼女の顔に表れていた憎悪にはっとなり、
またどきりとさせられた。彼には、妻に対する気の毒な気持ちがかえって
相手をいらだたせたことに気づかなかった。彼女が良人のうちに見たもの
は自分に対する同情であって、愛ではなかったのである。《だめだ、あれは
おれを憎んでいる。とてもゆるしてはくれまい》――と彼は思った。
中村融 岩波文庫 1989)




462 :吾輩は名無しである2011/12/28(水) 08:01:22.31
>>460-461
ありがとう!
自分は新潮の木村訳で読んだけど中村訳の方が好みだな







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