仲野羞々子「世間では三島のことを貴族だといい、貴族に間違いないことを信じている」


増補新版 三島由紀夫(文藝別冊/KAWADE夢ムック)


459 :吾輩は名無しである2012/04/06(金) 00:05:32.91

世間では三島のことを貴族だといい、貴族に間違いないことを信じている。
本人もそれを信じ、敢えてそのようにふるまってきたところから、
間違いがはじまっているように思えてならない。
平岡家の分家三代目の彼は貴族であっても、初代の祖父 定太郎は貧農出身
の成り上がり者であることを、彼は知りつくしておりながら、とことんまで
それをかくし通し、優雅な家系のように誇示したあとが気になる。
胸の底にうごめく貧農コンプレックスを、貴族のポーズで克服しようとした
としか思えないふしがある。
(仲野羞々子『農民文学』第九十三号所載)







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