三島由紀夫「文学はよいものであればあるほど人間は救われないということを丹念にしつこく教えてくれるのである」
引用元:http://toro.2ch.net/test/read.cgi/book/1344563335
ほんとうの文学は、人間というものがいかにおそろしい宿命に満ちたものであるかを、何ら
歯に衣着せずにズバズバと見せてくれる。しかしそれを遊園地のお化け屋敷の見せもののように、
人をおどろかすおそろしいトリックで教えるのではなしに、世にも美しい文章や、心をとろかすような
魅惑に満ちた描写を通して、この人生には何もなく人間性の底には救いがたい悪がひそんで
いることを教えてくれるのである。そして文学はよいものであればあるほど人間は救われない
ということを丹念にしつこく教えてくれるのである。そして、もしその中に人生の目標を求めようとすれば、
もう一つ先には宗教があるに違いないのに、その宗教の領域まで橋渡しをしてくれないで、一番
おそろしい崖っぷちへ連れていってくれて、そこで置きざりにしてくれるのが「よい文学」である。
三島由紀夫「若きサムラヒのための精神講話」より
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