三島由紀夫「作家というものは自分の過去の作品について、これは値打があるのだとか言い出したらおしまいじゃないですか」


対話・日本人論


引用元:http://toro.2ch.net/test/read.cgi/book/1284081334/

535 :吾輩は名無しである:2013/01/16(水) 20:12:50.39

作家というものは、自分の過去の作品について、これは値打があるのだとか、これは立派なものを書いたのだと
言い出したら、おしまいじゃないですか。作家というものは、創る人間であって、守る人間ではない。文化の
保護などということは、作家の仕事ではありません。ぼくは自分の過去の作品は、そういう意味では絶対に
愛せないですね。たとえ多少の値打があったにしても。そしてもし焼けば、本人が焼くのがいちばんいいと
思うのです。上田秋成は、みんな自分の原稿を井戸のなかに放り込んだでしょう。

三島由紀夫
林房雄との対談「対話・日本人論」より







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