芥川賞作家・田中慎弥「村上春樹の世界には、これはなんなんだろうと思って入り込んでいけない」
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2月17日午後6時過ぎ。第146回芥川・直木賞贈呈式の壇上に上がった田中慎弥は、すーっと大きく息を吸い込むとマイクに向かって言った。
「どうもありがとうございました」
話題の新芥川賞作家への道程は険しかった。
取材対応は、芥川賞を受賞した直後に東京で文芸誌と一部の一般紙に応じたのみ。
集英社に何度依頼しても受け入れられず「下関まで行く」と伝えても「下関での取材は御本人が受けない方針なんです」と言われる始末。
しかし簡単には引き下がれない。
不退転の決意で頼みまくっていると、ある時「贈呈式に合わせて上京するので、当日なら時間が取れるかも」と言われ、飛びついた。
――野球を題材にした作品もある。
ささやかに(広島)カープファンです。栗原はよく残ってくれたなと。本当はメジャー行きたいのに。が、今年も望みは持てない。
――巨人は・・・。
好きではないけど、石原さんと同じで悪口の言いがいがある。杉内を引っこ抜いたのはえげつなかったですね。DeNAは中畑が面白いだけですし。
メジャーも午前中の中継を見てしまう。仕事する時間なんですが。
(ダルビッシュについて)あそこ(レンジャーズ)はメジャートップの打線ですから。でも、中4日で大丈夫なのかなと。(何勝するか)そんなの絶対言えませんよ、怖くて。書くでしょ?
泣く泣く不掲載となった村上春樹評はこんな感じ。
熱心な読者にはなれていません。でも、あの世界にスーッと入っていく読者は多いと思う。
そうなれない私は古いタイプの読者なんでしょうね。何かがそこにはあると思う。あの文章とあの世界に。
私は、これはなんなんだろうと思って入り込んでいけない。何かがあると思ってしまう。
まとめて読む時間があってもいいと思うけど、読まない方がいいかもしれない。影響されちゃうかもしれないから。
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