坂本龍一「やっぱり、三島由紀夫はホンモノですよ」


坂本龍一[音盤] ビートサウンド (別冊ステレオサウンド)


引用元:http://toro.2ch.net/test/read.cgi/book/1344563335/

179 :吾輩は名無しである:2013/02/05(火) 19:33:44.46

1:出会い。原発。デモ。科学技術。社会保障。そして哲学と音楽。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20130124/242715/?P=5


坂本(龍一):昔、三島由紀夫石原慎太郎と対談した際に鋭く石原を批判した本を読みました。「世界の中で守るべきものは自分しかない」と言う石原に
「自己放棄に達しない思想は卑しい思想だ」と三島は言う。最終的に三島は石原に対してまじでぶち切れて、「おれはあなたを殺す。きょうはさいわい、
刀を持っている」とまで言ったという……(笑)。

國分(功一郎):ほんとですか? それ、知らなかったなぁ。

坂本:やっぱり、三島はホンモノですよ。

國分:僕も最近、やっぱり三島を読むべきだと強く確信してます。

坂本:僕が東京藝大に入った年が1970年。11月15日に三島さんが自決したでしょう? その時にひとつ思い出があって。

國分:うかがいたいです。

坂本:その年の7月8月ぐらいまでは70年安保のデモがあったので、僕も参加していたんです。で、9月ごろから、僕は何を思ったのか髪の毛を
短くスポーツ刈りみたいにしちゃった。

國分:坂本さんが、スポーツ刈り!

坂本:寒くなってきたら黒いコートを着て黒い革の手袋をつけて、何かアナキストのような格好をしはじめた。それで11月15日に三島さんの自決があった。
友達とふたりでなぜかガーッと熱くなって「いまから三島さんのところに行こう」となった。まず防衛庁に行ったんだけれども、
もう牛込警察署に遺体は移送されたとわかった。で、さっき言ったスポーツ刈りに黒いコートと黒い革の手袋で、牛込署に乗りこんだんです。
(続く)



180 :吾輩は名無しである:2013/02/05(火) 19:35:06.23
(続き)
國分:また、あぶないことを(笑)。

坂本:このとき牛込署の近辺は、もう大混乱状態でした。本物の右翼もたくさんきていた。機動隊もいる。マスコミもかけつける。
で、僕は黒づくめの格好で「三島先生に会わせろ!」と警察に乗り込んだ。

普通だったら、どやしつけられて、追い返されるところです。ところが、いかつい機動隊のひとが、「申し訳ございません。それだけはできません、
お帰り下さい」とやけに丁寧にこっちを扱う。どうやら右翼と間違えたらしいんですね。警察は、右翼には丁寧なわけです。つい数カ月前に参加したデモでは、
左翼学生たちをおんなじ機動隊が殴る蹴るだったのを覚えてますから、なんだ、見かけが違うだけで、髪型が長髪じゃなくて短髪になるだけで、
こんなに扱いが変わるんだ。面白いなあ、と、なぜか呑気なことを……。

國分:人間、髪型がすべて、というわけですか(笑)。

坂本:そうなんです。髪を短くした途端、新宿駅の東口で、毎日のように自衛隊にスカウトされるようになったし。「あ、きみ、ちょっと話、しないか」と声をかけられて(笑)。
髪の毛伸ばしてデモに参加していたときと、顔自体は変わっていない。だから人間、顔そのものは見ていないんだ、見てるのは髪型なんだと思った。
顔のまわりのシルエットを見て人を判断しているわけだ(笑)。

國分:レヴィナスという哲学者は「人間は顔を見るとその人を殺せない」と言って、人間の顔というものに注目しましたけれども、ほんとうは「顔」に劣らず
「髪型」が重要かもしれませんね。意外と顔って見てないんですよね。髪型の方が印象に残っている。



181 :吾輩は名無しである:2013/02/06(水) 00:49:09.18
興奮で日付を10日間違えてるわけか


182 :吾輩は名無しである:2013/02/06(水) 10:39:13.85
本当のファンなら日付を間違えるはずはないと思います。


184 :吾輩は名無しである:2013/02/08(金) 11:39:25.10
吉本隆明の誕生日だし





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